たばこと塩あれこれVarious topics of tobacco and salt

ミュージアムコレクション

たばこ入れ

オランダ金華山織腰差したばこ入れ

オランダ金華山織腰差したばこ入れ
前金具赤銅 布袋米磨(銘久則)
裏 座銀心 蝶 団扇(うちわ)彫り
緒 締鳳顛玉
緒 紐組紐
朴 ごま竹彫り(銘「はし一」)
寸 法7.5×12.5cm(袋の部分のみ)

※こちらは常設しておりません。

金華山織(きんかざんおり)とは、ビロードの模様を金糸で織り出す高級毛織物のことで、オランダからの輸入品でした。この金華山織をたばこ入れの袋に使い、縁に金唐革(きんからかわ)を巻くという、典型的な阿蘭陀(おらんだ)趣味の造りを見せたたばこ入れです。金華山織も金唐革も高価なものであり、また、たばこ入れとしても装飾性の高いものとなっています。前金具は赤銅布袋の米研ぎ彫り、緒締(おじめ)は鳳顛玉(ほうてんだま)、筒は竹に見えますが、実は朴(ほう)の木を煤竹(すすたけ)に似せて彫り上げ、漆を塗ったものです。この筒は、「はし一」と銘する橋本市蔵という職人の作で、彼は、木を竹に似せて彫りあげ漆で細工する「竹彫り」と漆で紅葉(もみじ)の葉を表現する「紅葉塗り」という独特の高い技術が評判でした。