たばこと塩あれこれVarious topics of tobacco and salt

ミュージアムコレクション

たばこ盆

朱漆塗り行燈形提げたばこ盆

朱漆塗り行燈形提げたばこ盆
装 飾朱漆溜塗り
火入れ色絵唐人物文筒形
灰落し
きせる銀朱羅宇きせる
寸 法27.5×27.4×17.2cm
その他伝吉原花扇使用

※こちらは常設しておりません。

たばこ盆全体を朱漆溜塗りで濃厚な色彩とし、造形的には、三方を囲む風覆(かざおお)いを格子として、そこに絹を貼ることで、行燈(あんどん)に見立てています。照明の未発達だった江戸時代の夜に、火入れにともる炭火の明かりを囲むこの障子は、きっと素晴らしい室内演出になったことでしょう。このたばこ盆の伝来には、新吉原の江戸町一丁目の扇屋で人気を博した遊女「花扇(はなおうぎ)」が使用したものといわれています。付属するきせるは、たばこ盆の塗りとは異なるもので、後の時代のものと思われますが、吸口に「花扇太夫」と彫られ、たばこ盆の伝来と調和しています。