たばこと塩あれこれVarious topics of tobacco and salt

ミュージアムコレクション

外国の喫煙具

クレーパイプ

クレーパイプ

さまざまな形のクレーパイプ
(オランダ)

※こちらは常設しておりません。

イギリスで喫煙用のパイプが作られるようになったのは16世紀後半のことで、当初、上流階級用には銀などの貴金属を使ったものが、また、庶民用にはクルミをくりぬいたボウルに麦藁のステム(柄)を付けたりしたものが作られました。またすでにこのころ、白色の粘土(クレー)を使った素朴な素焼きのクレーパイプも作られていました。しかし、17世紀以降、クレーパイプの製造地は新たに台頭してきたオランダのゴーダ地方で盛んとなり、以後オランダがクレーパイプの主たる生産国として知られるようになりました。

ギルド制度が発達していたオランダには、クレーパイプ専門の工房も見られました。当時のクレーパイプには、制作者のマークが入っているものが多く、そのマークからどこの工房で製作されたものであるのかを判断することができます。クレーパイプの多くには、ボウルの下に平たい基部がついていますが、この基部に、工房のマークが入れられました。また、柄の短いものや長いものなど、さまざまな長さのものがあり、中には柄がラッパ状に巻かれたようなものも作られました。

近年、長崎・出島のオランダ商館跡から、多くのクレーパイプが出土しています。それらの遺物からは、鎖国政策下の日本において唯一滞在を許されていた出島で、オランダ人がクレーパイプをくゆらす様がしのばれます。