たばこと塩あれこれVarious topics of tobacco and salt

ミュージアムコレクション

外国の喫煙具

中央ヨーロッパのパイプ

中央ヨーロッパのパイプ

木製鹿彫りパイプ
(中央ヨーロッパ)

※こちらは常設しておりません。

オーストリア、スイス、南ドイツといった中央ヨーロッパ地域で使われていたパイプに、狩猟パイプ、あるいはチロリアンパイプ、ジャーマンパイプなどと呼ばれるものがあります。

木材資源に恵まれた中央ヨーロッパでは、ボウル部分にも木が使われ、見事な彫刻が施されていましたが、たばこの火でボウルが焼けてしまうため、動物や森林の風景が美しく絵付けされた陶製のボウルが使われるようになりました。また、その柄には木肌のきれいな桜材が用いられることが多く、吸い口や装飾には獣の骨や角などが使われていました。

この中央ヨーロッパのパイプには、ボウルが深く、金属の蓋が取り付けられているものがありますが、これは狩猟や山仕事の合間に喫煙をする際、風で火が消えてしまうのを防ぐだけでなく、たばこの火が原因で火災が発生するのを防ぐためのものでした。

室内用のパイプは、一般に柄が長く、椅子に腰掛けてボウルを床に置いて吸うことができました。一方、野外用のものは、使わない時に邪魔にならないよう、首から提げておくための長い紐が付けられることもありました。