歌川広重画「木曾街道六拾九次之内 軽井沢」
絵師 | : | 歌川広重 |
名称 | : | 木曾街道六拾九次之内 軽井沢 |
時代 | : | 天保(1830〜1844)頃 |
形状 | : | 大判錦絵横 |
版元 | : | 伊勢屋利兵衛版 |
※こちらは常設しておりません。
広重は、「東海道五拾三次」やこの「木曾街道六拾九次」のシリーズで、街道のさまざまな風景や風俗と合わせて、叙情的な図も描いて、彼の特徴の一つとして確立しました。この作品は、その叙情的な部分の代表的なもので、夜になり、宿場に急ぐ(夜間の宿場の出入りは禁じられていました)旅人が、軽井沢の宿場に近づいたところで焚き火を見つけ、一服する一瞬を描いています。
暗闇迫る黒暗色をベースに、焚き火や提灯(ちょうちん)の明かりが対照的なコントラストを見せています。当時の旅にあって、火は不可欠なものであり、このような焚き火は、旅人の心を和ませたことでしょう。こんな状況での一服はさぞや至福(しふく)の一時だったのではないでしょうか。