たばこと塩あれこれVarious topics of tobacco and salt

ミュージアムコレクション

浮世絵

月岡芳年画「和漢百物語 小野川喜三郎」

月岡芳年画「和漢百物語 小野川喜三郎」
絵師月岡芳年
名称和漢百物語 小野川喜三郎
時代慶応元年(1865)9月
形状大判錦絵

※こちらは常設しておりません。

「和漢百物語(わかんひゃくものがたり)」は、幕末〜明治の人気絵師月岡芳年が描いた日本及び中国の怪奇談と英雄にまつわる逸話を題材としたシリーズです。この絵は、天明〜寛政(1781〜1801)頃の人気力士小野川喜三郎(おのがわきさぶろう)が、お抱え主(久留米藩有馬家)の屋敷に妖怪が出没し、怪異事件が起こったので、退治して調べてみると古狸(こり)の仕業であったという話を描いています。

有馬家は化猫騒動で有名で、こちらも小野川が退治しています。別に、この絵のような狸の事件もあったのかも知れません。腰を抜かしそうな大入道の出現にも、悠然ときせるでたばこをふかし、その煙を長く伸びた妖怪の顔に吹きかけるという、剛胆な小野川が描かれています。それに対して、迷惑そうな大入道の顔が、悠然とする小野川と対照的に配されています。