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たば塩スタッフが近況やさまざまな活動について、最新情報をお届けします。

「いよいよ、事務所引っ越しました」2014.12.5

こんにちは。ひと月のご無沙汰でしたが、みなさまお変わりありませんか?東京でも、秋から冬に着実に季節が移行しています。

まず始めにお伝えすることは…。たばこと塩の博物館の事務所が移転しました。36年以上の時を刻んだ渋谷区神南の事務所に別れを告げ、墨田区横川に引っ越しました。事務所の引っ越しについてはブログでも度々触れていて、先月号を読むと我ながらどこか人ごとのようでしたが、11月に入ってから、とりわけ引っ越しの直前は嵐のようでした。

引っ越しの話題は後ほどご報告するとして、他にもいろいろとあった11月のたば塩についてお伝えします。

私が担当している仕事の中での大きな出来事としては、「デザインコンペ」がありました。新館で使用するさまざまな印刷物について、デザイン会社数社にプレゼンしてもらいました。博物館の外側にいる人が作ったものを通して「たばこと塩の博物館」をみることや、デザインを通して新しくスタートをきる博物館をどうみせていくかというコンセプトを聞くのは、本当に興味深く面白かったです。デザインやキャッチコピーを通していかに多くの人に博物館を認知してもらうかという点で、広報を担当する私にとってもすごく勉強になりました。コンペ参加会社が提出したデザインはどれも捨てがたく、本当に悩んだのですが、館内協議の結果、1社に決定しました。みなさまがこのデザインに触れるのはしばらく先ですが、デザインとともに、そこに込められたデザイナーの方の気持ちなどを感じていただけたらうれしいです。

渋谷・たばこと塩の博物館事務所の応接室。

渋谷・たばこと塩の博物館事務所の応接室。ここでデザインコンペのプレゼンテーションを行いました。館長、総務部長、学芸部全員が出席し、各デザイン会社のプレゼンを聞きました。

そして、毎号お馴染みのご報告となりましたが、11月も打ち合せがたくさんありました。「たばこ」「塩」それぞれの常設展示室、収蔵庫などの打ち合せは、展示室だけでなく映像関係も山盛りです。新しい展示室を完成させるべく、各担当学芸員は、キャプションと合わせ、映像ナレーションなどの用意がありますので、原稿の準備が盛りだくさんです。そして、学芸員が書いた原稿の校正は学芸部+αで行うのですが、現在は、校正したら次の校正がやってくるという感じで、切れ目なく校正作業をしています。

そんな中、ついに引っ越しの日が迫ってきました。今回は、写真を中心に引っ越しのようすをお伝えします。
まずは、事務所の作業風景です…。

*梱包資材たち*

引っ越しの荷物を入れる段ボールが届きました。

引っ越しの荷物を入れる段ボールが届きました。前回のブログでお伝えした図書とは別に500枚ほどあります。まさか、こんなに使うなんて!?
(結局、少々の余りは出たものの、ほとんど使用する結果となりました…)

養生テープに布テープ。梱包資材いろいろ。カラフルなラベルは荷物を詰めた箱に貼るシール。引っ越し先の行き先により色が異なります。作業本番に入るまでは、充実した資材に少しワクワクしたものですが…。

養生テープに布テープ。梱包資材いろいろ。

*事務所のようす(学芸部を中心に)*

私の机の引っ越し作業の途中風景です…。

これは私の机の引っ越し作業の途中風景です…。恥をしのんで、臨場感を出すべくご紹介してしまいます。引っ越した後にラクなように系統立てて詰めようとした結果、さらに悪化。まるでまとまりがありません。日常の整理がいかになっていなかったか…(涙)。思い出を噛み締める余裕もない箱詰め作業でしたが、休憩時などに、ふと今までのことを思い出すと、胸に迫るものがありました。

私の机から学芸部を見渡した写真。

私の机から学芸部を見渡した写真。まだまだ雑然としています。本や紙資料、その他資料、本当にいろいろなものが集まる博物館。かなり意識して管理しないと、あっと言う間にモノであふれます…。

事務所の本棚。

事務所の本棚。渋谷の館には閉架式の書庫がありましたが、学芸員を中心にすぐに利用できるよう、事務所にも書架がありました。専門書や辞書を中心にかなりの冊数を収納しています。書架の前には、閲覧するための机がありますが、引っ越し作業中のことも手伝って、机面はみえません…。

片づけ、荷造りもあれば、再利用する什器の掃除まで、本当にやることがてんこ盛りでした。
片づけ、荷造りもあれば、再利用する什器の掃除まで、本当にやることがてんこ盛りでした。

片づけ、荷造りもあれば、再利用する什器の掃除まで、本当にやることがてんこ盛りでした。おかしな表現かもしれませんが、スタッフ皆頑張りました。特に若いスタッフは惜しみなく汗を流し、共用部分の物品などの整理、箱詰めが着々と進んでいきました。

先ほどご紹介した私の机とは逆方向から眺めた事務所です。

先ほどご紹介した私の机とは逆方向から眺めた事務所です。だいぶ片付いてきたのがお分かりいただけるでしょうか。

ここは、応接室。今回のブログの最初で登場した、デザインコンペを行った部屋です。

箱詰めが進むにつれ、詰め終わった段ボールの置き場所が必要になります。ここは、応接室。今回のブログの冒頭で登場した、デザインコンペを行った部屋です。ここも最終的には、段ボールや什器だらけになりました(これはまだ途中段階。最終的に、人が1人通れるか?レベルまでになりました)。

館長室です。大きな机と応接セット、収蔵喫煙具の展示ケースがあるシンプルな空間でした。

館長室です。大きな机と応接セット、収蔵喫煙具の展示ケースがあるシンプルな空間でした。大切なお客さまをたくさんお迎えした部屋も、この期間、貴重な物置き場となりました(これもまた、途中段階。入口までモノだらけとなりました)。

*館内のようす*

ここは中2階常設展示室です。

事務所の荷物を入れた段ボールは、事務所だけでは収まらず、展示室も侵食しました。ここは中2階常設展示室です。パレンケ遺跡レリーフを囲むように段ボールが…。地球儀の向こうにも、もちろん、段ボールです。

エントランスホールにも段ボール。

エントランスホールにも段ボール。引っ越し作業期間中、とにかく、ここにもそこにも段ボール!という感じでした。手前の高所作業台も引っ越しスタンバイ中です。

「喫煙の像」の小さい版です。

(写真左)どこかでみた!という方も多いことと思います。あれ?思ってるより小さいとか…。実はこの像は、ブログに何度も登場した、渋谷の館の前庭でお客さまをお迎えしていた「喫煙の像」の小さい版です。小さい版は、事務所でお客さまをお迎えしていたのです。余談ですが、小さい版は2人います。

(写真右)梱包され、大きい版の待つ墨田区横川へ…。

と、このように事務所の引っ越し作業は進んでいきました。せっかく(?)ですので、別スペースの作業も少々ご紹介します。館内には、展示室のほか、什器を収める部屋や展示用のさまざまな備品を収める部屋をはじめとする共用スペースがいくつもあります。事務所の個人机周りの荷物の箱詰めに先駆けて、皆で共用スペースの整理、箱詰めをしました。

*共用スペースや什器などのようす*

新館で収めるべき場所のシールを貼りました。

大きな照明器具や絵画用の額、展示用雑品、さらに塩の実験に関係するものなどを収めていたスペースも、整理した後、新館で収めるべき場所のシールを貼りました。大物が多く、重量もあるうえ、高所にまで物品が収められているため、ここでの作業はなかなかの肉体労働でした。特に男性職員ががんばりました。

特別展示室での展示の際に作品を載せる台

別のスペースでは、特別展示室での展示の際に作品を載せる台を収納していました。木にフェルトを貼ったしっかりとした台のため、少々重量があります。新館でも使用するため、新しい行き先のシールを貼りました。

当館所蔵の鈴木春信が描いた浮世絵に登場する茶屋のお仙ちゃんです。

この姿を覚えている方は、かなりのたば塩通…。当館所蔵の鈴木春信が描いた浮世絵に登場する茶屋のお仙ちゃんです。渋谷では、展示室に関するインフォメーションボード(?)として活躍していました。晴れて、墨田にいっしょに行くことになりました!

初公開の「トラクター」。このトラクターには、展示作業に必要な多種多様な物品が収まっています。

(写真左)初公開の「トラクター」。このトラクターには、展示作業に必要な多種多様な物品が収まっています。メジャー、釘、テグス、金槌・ペンチといった工具などなど…。展示作業に関しては、ここにないものはない!と言っても過言ではないくらいのラインナップ。心強い一台です。

(写真右)新館への引っ越しのため、トラクターも整理、箱詰めしなければなりません。上に載っている細々したものは、種類ごとに袋詰めのうえ箱詰めしました。

ラップのようなものでトラクター全体が梱包されました。

引っ越しのプロの技ですね。ラップのようなものでトラクター全体が梱包されました。

鉄釜も新館に引っ越しします。

展示資料についても少々…。
渋谷の館3階の「塩の常設展示室」には、昭和初期から能登の揚浜で実際に塩を煮詰めるのに使われていた鉄釜を展示していました。この鉄釜も新館に引っ越しします。

運び出しのため、梱包のうえ1階エントランスホールに置かれた鉄釜。

後日談。
鉄釜はプロの手により、無事運び出されました。この後、台車に乗って、たくさんの人が行き交う公園通りを少し上ってからトラックに積まれたとのことです。(立ち合いスタッフ談)

運び出しのため、梱包のうえ1階エントランスホールに置かれた鉄釜。重さが160kgあるため、4人がかりでの運搬となりました。

鉄釜はプロの手により、無事運び出されました。

さて、私たちの箱詰め作業最終日。作業の合間に館の周辺を歩いてみました。

当日は快晴。渋谷勤務最後の日に「ありがとう!」と感謝の気持ちでいっぱいになりました。

当日は快晴。渋谷勤務最後の日に「ありがとう!」と感謝の気持ちでいっぱいになりました。レンガ立ての建物が青空に映えます。

代々木公園に続く道。すっかり紅葉しています。

代々木公園に続く道。すっかり紅葉しています。この木々の新緑や紅葉に、何度目を楽しませてもらったことでしょう。

職員用通用口は半地下にありました。

職員用通用口は半地下にありました。グランドレベルの正面玄関はお客さまの入口ですので、荷物の運搬はこちらを使用していました。印刷物などはこの階段にスタッフが交互に並んで「バケツリレー」方式で納入したものです。

渋谷のたばこと塩の博物館でみなさまをお迎えした日々、
スタッフのさまざまな表情に囲まれて過ごした日々、
たくさんの思い出を胸に、さあ、今度は墨田で時間を重ねていきます。
墨田のたばこと塩の博物館もみなさまに愛される博物館になれますように…。

事務所の最後の姿です。

引っ越しに向けた作業は終了。翌日からはいよいよ引っ越し業者さんによる新館への移送となるため、たば塩からは一部の職員が立ち会うのみです。ですから、これが多くのスタッフが「お疲れさまでした」と言って後にする事務所の最後の姿です。あの雑然とした事務所が遠い過去のように思えたりもします。

イルミネーションが特別きれいでした。

渋谷最後ということで、作業を終えた事務所で簡単にお疲れさま会をしました。同じ空間で時を過ごしたなかまに、そして博物館にありがとうという気持ちをこめて。館を出たら、外は夜。イルミネーションが特別きれいでした。

12月に入りました。日に日に寒くなっていくのでしょうね。どうぞ、お身体に気をつけてお過ごしください。

次回は年末にお届けします! (Y・H)