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「開館の年を迎えて…墨田での仕事始めと1月のあれこれ」2015.2.3

こんにちは。ひと月以上のご無沙汰でしたが、みなさまお変わりありませんか?早いもので1月が終わり、このブログがアップした2月3日は節分です。豆まきする方もいらっしゃることでしょう。そして、節分の翌日は立春。暦の上では春ですね。

まず初めに…。今年2015年は、たばこと塩の博物館が墨田で新しいスタートを切る年です。そして、ついにリニューアルオープンの日が2015年4月25日(土)に決定しました!開館日も決まり、準備作業も佳境に入ってきました(ずっと佳境のような気もしますが)。つい先日まで内容、文字チェックをしていたサインが実際に館内外の至るところに付けられたり、図面で見ていた展示室や諸室の什器が実物となって納品されたり…。だんだんと、“博物館”の雰囲気が出てきています。

前後しますが、1月のたば塩のできごとをいくつかご紹介します…。

年明け、仕事始めの日であった1月5日。事務所スタッフで初詣に出かけました。場所は、以前のブログでもご紹介した牛嶋神社さんです。通常の開館をしているときには、お客さまをお迎えすることもあり、開館日にスタッフ全員で出かけるのは難しいのですが、休館中のため、ほとんど皆で出かけました。このようなことは、たば塩始まって以来、初めてのことではないでしょうか?

墨田のたばこと塩の博物館の氏神さまでもある牛嶋神社さんは、近隣の会社の方などでたいへんなにぎわいをみせていました。私たちもしばらく待って、拝殿にあがり祈祷していただきました。「いよいよ開館の年!」ということで、内装工事着工時の安全祈願のときとは、また異なる気持ちでのお参りとなったのは、私だけではないと思います。

牛嶋神社
牛嶋神社

近隣の会社、事業所の方と思しき方、個人でいらしている方、本当にたくさんの方が参詣されていました。新しい年を迎えて、みなさんいろいろな思いを抱いてのお参りでしょう。私たちたば塩スタッフもそうでした。

牛嶋神社さんの参道からみえるスカイツリー!

牛嶋神社さんの参道からみえるスカイツリー!鳥居の先にそびえるスカイツリーもいいものです。何か大きなパワーを感じました。

展示の関係では、「岩塩の引っ越し」がありました。

渋谷の館の「塩の展示室」でも人気の高かったポーランド岩塩。1.2tの塩のかたまりは、その大きさ、存在感から、記念撮影するお客さまはもちろん、しょっぱいかどうか、ついなめてみてみる方もいらっしゃったようです…。

また、渋谷の館の入口でみなさまをお迎えしていた、浦島太郎をモチーフにした彫刻が施された岩塩(スタッフの通称:浦島岩塩)を覚えていらっしゃいますか?こちらも相当存在感があるのですが、場に馴染んでいたのでご記憶でない方も多いかもしれません。この浦島岩塩(生産地はポーランド)が約1t。さらに渋谷の館では休憩スペースに展示していたイギリス岩塩はやや小振りな約600kg。合わせておよそ3.2tの岩塩が渋谷から墨田に引っ越してきました。

通常、資料、作品は美術梱包という美術品を専門とした業者さんにより梱包・輸送されます。しかし、これらの岩塩はあまりに重く、通常の美術品のような輸送は不可能です。そこで今回は、美術梱包の業者さんだけでなく、同じ会社の重量物を扱うスタッフさんとの共同による、岩塩輸送の一大プロジェクトが組まれました。

左から、「ポーランド岩塩」「浦島岩塩」「イギリス岩塩」(イギリス岩塩は梱包されている状態です)。

左から、「ポーランド岩塩」「浦島岩塩」「イギリス岩塩」(イギリス岩塩は梱包されている状態です)。ちなみに、「浦島岩塩」ですが、今回撮影した際に浦島太郎はいないことが分かりました(!)昔話の浦島太郎をモチーフに、乙姫さまと竜宮城が彫られていますが、本人は不在でした。恥ずかしながら、太郎をきちんとは確認していなかった…。とても驚きました…。

まずは、渋谷の館からの「搬出」です。

岩塩を輸送用トラックに積むために、館の外に出さなければなりません。1.2 tのポーランド岩塩は3階に展示していたため、エレベータを使用して下に降ろしたいところですが、なんと、エレベータの最大積載量を超えていました。実は、1.2tならぎりぎりエレベータで移動させられたのですが、今回の輸送のために計量しなおしたところ、驚くことに、1.4tあることが発覚したのです…。エレベータでの搬出が不可能となったため、エレベータの箱を最上階に上げ、エレベーターの昇降路である“シャフト”内に櫓を組み、滑車で降ろす方法をとることになりました。

4階の扉から下をのぞいた図

映画やドラマの1シーンで“シャフト”が登場することはありますが、岩塩搬出で使うことになるとは…。
写真は4階の扉から下をのぞいた図で、撮影したスタッフは、手に汗にぎったとのことでした。

岩塩は、滑車により下まで降ろされたところで、クレーン車で引き上げられ、トラックに積み込まれました。やや小振りなイギリス岩塩も同様の方法で運び出されました。

渋谷の館の裏側。

渋谷の館の裏側。
しっかりと梱包されたポーランド岩塩は、この後トラックに積まれました。クレーンで持ち上げられた岩塩からは、1.4tの重量感は伝わらないかもしれません…。

そして、浦島岩塩です。1.4tのポーランド岩塩とイギリス岩塩は、渋谷の館の裏側で作業が進みましたが、浦島岩塩は渋谷公園通りに面した入口近辺に展示されていたため、お客さまが利用されていた正面玄関から搬出されました。公園通りをごろごろと進む浦島岩塩…。

たば塩スタッフにとって懐かしい渋谷・公園通り。

たば塩スタッフにとって懐かしい渋谷・公園通り。
タイルが敷きつめられている上を約1tのものが移動するのは容易なことではなく…。

きっと、ごろごろとはいかなかったと思います。プロの男性スタッフ6人がかかっても、大変な作業でした。櫓を組んでの搬出も一大事でしたが、公園通りでの移動はかなり厳しかったようです。そして当日は、雨でした…。岩塩たちはプロの手によりしっかりと梱包されているので問題ないものの、好天での作業に比べ、雨に濡れての作業が大変だったことは想像に難くありません。

浦島岩塩も最終的にはクレーンでトラックに積まれ、岩塩たちは渋谷を後にしました。

そして、岩塩たちがいよいよ墨田にやってきました。「喫煙の像」のときもそうでしたが、新しい博物館で、古くから馴染みのある作品、資料、什器などに会うと、旧友もしくは、親類に会ったような気がします。岩塩たちにも同じ心持ちでした。

墨田の館は、博物館の建物の前にスペースがあります。ここに、岩塩を載せたトラック、クレーン車が集合しました。そして、トラックに積まれた岩塩は、ひとつずつクレーン車によって降ろされ、各展示場所への搬入が行われました。クレーン車で降ろされてから、どのようにそれぞれの定位置で展示されたか… 。その作業については、いずれ機会があればご紹介します。

岩塩を載せたトラック、クレーン車
岩塩を載せたトラック、クレーン車
岩塩を載せたトラック、クレーン車
各展示場所への搬入

墨田の館の前にはスペースがあるので、渋谷の狭い場所での作業に比べれば、搬入作業は行いやすかったかもしれません。それでも、非常に重い「資料」を安全に、慎重に扱うのは大変なことです。大きなクレーンを操縦し、スタッフの方たちが一丸となって行うプロの作業風景にしばし見とれていました。

カレンダーをみると、みなさまをお迎えするまで100日をきっていることが実感されます。日々、開館に向けての準備が進むたば塩…。今は、“博物館の雰囲気”が出てきたなあと思うこの場所に、“たば塩らしい”個性が備わっていくのは、開館してお客さまをお迎えし、展示をご覧いただき、我々スタッフもみなさまと交流させていただいてから始まるのだと思います。今は、お客さまをお迎えするその日を楽しみに、そして気をひきしめて、準備作業に取り組んでいます。

暦のうえでは春となりますが、東京でも二月はとても寒いです。さらに、周囲ではインフルエンザや風邪をひいたという話をたくさん聞きます。みなさま、どうぞお身体大切にお過ごしください。

それでは、また次回に! (Y・H)