たばこと塩あれこれVarious topics of tobacco and salt

世界の塩・日本の塩

日本の塩

採かんの発達/塩浜「能登の揚浜」(中世〜現在)

揚浜(あげはま)系の塩浜は、原料の海水を人力で塩浜まで運び上げる方式で、潮の干満差が小さい日本海側と、太平洋側の外海に面した波の荒い海岸に見られました。揚浜の多くは、自然のままの海辺の砂浜を利用するものでした。しかし、海岸に砂浜がない能登半島では、海面より一段高い場所に、粘土で人工の地盤を築いた「塗浜(ぬりはま)」と呼ばれる塩浜が発達しました。

揚浜の分布

揚浜の分布

自然浜
自然浜

塗浜
塗浜

能登の製塩工程

能登半島の珠洲市では、現在でも、石川県の無形文化財として、揚浜による塩づくりが存続しています。(昭和53年撮影)

(1)塩浜に海水をくみ揚げます。

(1)塩浜に海水をくみ揚げます。

(2)くみ揚げた海水を塩浜にまきます。

(2)くみ揚げた海水を塩浜にまきます。

(3)砂を集めて海水をかけ、濃い塩水(かん水)を採ります。

(3)砂を集めて海水をかけ、濃い塩水(かん水)を採ります。

(4)鉄の釜で煮つめて塩を結晶させます。

(4)鉄の釜で煮つめて塩を結晶させます。

能登の揚浜で使われた鉄釜

能登の揚浜で使われた鉄釜

昭和初期から昭和58年(1983) まで約60年間使われました。

・直 径:180cm
・深 さ:30cm
・重 さ:約160kg