たばこと塩あれこれVarious topics of tobacco and salt

世界の塩・日本の塩

生活に身近な塩。その基本的な性質、生活との関わりなどを紹介。
世界の塩資源分布と主な製塩地、そして不利な条件のもとで、独自の発展をとげた日本の塩づくりの歴史を解説します。

塩は空気や水とともに、私たち人類が生きていくために欠かせない大切な物質です。生きるために欠かせない塩をつくる製塩の歴史は、人類の歴史とともに始まったともいえるでしょう。
外国では、内陸の岩塩や塩湖などを利用したり、高温乾燥の地域では、海水から直接塩の結晶を得る天日製塩が行われています。一方、日本では、岩塩や塩湖が無いために、昔から海水を原料とした塩づくりが行われてきました。しかし、雨の多い気象条件が天日製塩に適さないため、海水から直接塩の結晶を得ることができません。そのため、海水から濃い塩水(かん水)を得る「採かん(採鹹)工程」と、そのかん水を煮つめて塩の結晶を得る「せんごう(煎熬)工程」という二つの工程を持つ製塩法が発達し、現在の製塩法にも引き継がれています。また現在、塩は、ソーダ工業をはじめとする工業の分野で、欠かすことのできない基礎原料として重要な資源となっています。
このように塩は、私たちにとって、食品としてだけでなく、くらしを支える多くの分野で活躍する「生命の糧」として重要なはたらきをしています。