特別展Exhibition

過去の特別展

「塩」は、料理の味つけに使うものとして思い浮かべることが多いと思いますが、実は私たちの身のまわりには、食べもの以外にも塩がないと存在しないものがたくさんあります。一見すると「塩」とは関係のなさそうな、タイヤやコップ、アルミホイル、ティッシュペーパーなどの日用品にも、製造過程では「塩」が関わっています。塩をそのまま使って作る製品だけでなく、塩を作り変えて(変身させて)できる「か性ソーダ(水酸化ナトリウム)」「塩素」「ソーダ灰(炭酸ナトリウム)」を使って作る製品もたくさんあり、一度それを知ると、「塩」が生活に広く関わっていることがわかります。
今年の「夏休み塩の学習室」では、「塩が食品だけでなく身近な工業製品にもさまざまなかたちで使われていること」に焦点をあて、代表的な製品を展示しながら、解説パネルで紹介します。
開館以来、毎年夏休みの時期に開催し、41回目を迎える塩の学習室ですが、今年は新型コロナウイルス感染症の状況に鑑み、毎年行っている“参加型の展示”ではありません。また、例年ご好評いただいている「塩の実験室」や「体験コーナー」などの実験イベントも行いませんが、食べものだけではない、幅広い塩の用途について、解説パネルで紹介する形式にし、夏休みの自主学習にも役立つプログラムとして開催します。

  • 学習室の様子

  • 学習室の様子

「第41回夏休み塩の学習室 学んでみよう! 塩のつかいみち」開催概要

主催
たばこと塩の博物館
会場
たばこと塩の博物館 2階特別展示室
開館時間
午前11時〜午後5時
(入館は午後4時30分)
休館日
毎週月曜日(ただし8/10は開館)、
8月11日(火)休館
入館料
大人・大学生 100円
小・中・高校生 50円
満65歳以上の方 50円 ※年齢がわかるものをお持ちください。
※障がい者の方は障がい者手帳などのご提示で付き添いの方1名まで無料。
※会期中は団体でのご来館はご遠慮ください。

※密集を避けるため、入場制限をさせていただく場合があります。当館の 〈新型コロナウイルスに関連した対応について(2020.7.21)〉もご覧ください。
※新型コロナウイルス感染症拡大の状況によっては、開館時間の変更や臨時休館をさせていただく場合があります。最新の開館状況等は、公式ツイッター、お電話、当ホームページ等でご確認ください。

展示関連イベント

例年開催している「塩の実験室」「体験コーナー」は開催しません。

展示の構成

はじめに:1年間に使う塩の量と使いみち

日本で使われる塩は1年間に約800万トン。そのうち調味料として家庭で使われる塩は、3%にもなりません。食品工業用と合わせても、食べものに使う塩は全体の12%くらいです。実は、食べもの以外に使う量の方が圧倒的に多いのです。塩の使いみちは、「食べものに使う塩」「そのまま工業に使う塩」「変身させて使う塩」と、大きく3つの種類に分かれていますが、ほとんどは塩を他の物質に作りかえる(変身させる)ソーダ工業に使われ、いろいろな工業製品に姿を変えて、私たちの生活を支えています。ここでは、1年間にどの用途にどれくらいの塩を使っているかの全体像を紹介します。

  • 塩の生産量と消費量(2013年度)

  • 日本で1人が1年間に使った塩の量(2013年度)

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1:食べものに使う塩

塩の使いみちは大きく3つの種類に分かれていますが、一つ目は「食べものに使う塩」です。塩には、味つけだけでなく、脱水・防腐・発酵調整・ねばりを出すなどの働きもあります。これらを利用して、広く食品の加工に塩が使われています。ここでは、「食べものに使う塩」が実際にどの食品に、どのように使われているかを解説します。

  • 食べものに使う塩の例

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2:そのまま工業に使う塩

塩の使いみちの二つ目は「そのまま工業に使う塩」です。塩は氷点降下や塩析をはじめ、いろいろな性質を持っていて、これらの性質が身近な工業製品に利用されています。皮なめしやイオン交換樹脂の再生、染料、合成ゴムの製造などのほか、道路用や家畜用にも使われています。ここでは、「そのまま工業に使う塩」が実際にどの製品に、どのように使われているかを解説します。

  • そのまま工業に使う塩

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3:変身させて使う塩 A、か性ソーダ B、塩素 C、ソーダ灰

塩の使いみちの三つ目は「変身させて使う塩」です。なかなかなじみがありませんが、実はこの使い方が日本で1年間に使う塩の約7割を占めています。この使いみちでは、塩をそのまま使うのではなく、ソーダ工場で「か性ソーダ」「塩素」「ソーダ灰」に作り変えてから利用します。「か性ソーダ」は図版「A」、「塩素」は図版「B」、「ソーダ灰」は図版「C」に示したような使いみちで利用されています。「か性ソーダ」「塩素」「ソーダ灰」は、製造の途中で使うだけで製品には残っていないものもありますが、その製品を作るのには絶対に必要なものです。つまり、「か性ソーダ」「塩素」「ソーダ灰」の原料になる「塩」がないと、身のまわりにある様々な工業製品が作れなくなってしまうのです。

  • 塩がソーダ工場で変身するイメージ図

  • 図版A:か性ソーダの使いみちの例

  • 図版B:塩素の使いみちの例

  • 図版C:ソーダ灰の使いみちの例

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