特別展Exhibition

Web企画展 [第4回] 明治時代を彩ったたばこポスター

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* 明治時代のポスター製作の裏側〈1〉*

この時代のポスター作りは、一般的に、各印刷会社が製作したポスターの印刷見本などを企業や商店などに持ち込み、採用となった場合は、その企業の商品にあわせて、文字や絵柄を追加して完成品とするものでした。

また、時には新聞の付録になっていた石版画の図柄をポスターに流用するといったことも見られました。

* 明治時代のポスター製作の裏側〈2〉*

当時の石版印刷は、画家が描いた原画を、印刷会社の「画工」と呼ばれる職人が手描きで色ごとに写し取って製作していました。そのため「画工」の技術によるところが大きく、同じ構図のポスターでも、出来不出来の差がありました。

京都印刷工場資料

村井が設立した東洋印刷株式会社は、たばこ専売制施行以後、当時の大蔵省煙草専売局(後に大蔵省専売局)に買収され、「京都煙草製造所伏見分工場」(後に京都印刷工場)として新たなスタートをきりました。その後、閉場になった1999(平成11)年9月までのちょうど100年間、京都印刷工場は、たばこパッケージをはじめ、チップペーパー(紙巻たばことフィルターをつなぐ紙)、製品ポスターなど、たばこに関する様々な印刷物を作ってきました。

当館には、東洋印刷時代の石版印刷ポスターの原画、石版をはじめ、専売制以降のたばこパッケージの石版、銅版、版下など、その時々の印刷産業・技術を知る上で重要な資料が多く引き継がれています。

村井兄弟商会「ピーコック」原画(明治30年代)

村井兄弟商会「ピーコック」原画
(明治30年代)

京都印刷工場における原画作成作業の様子(大正時代末頃)

京都印刷工場における原画作成作業の様子(大正時代末頃)

京都印刷工場における石版印刷製版と印刷作業の様子(昭和初期)

京都印刷工場における石版印刷製版と印刷作業の様子
(昭和初期)

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