特別展Exhibition

過去の特別展・企画展

館蔵浮世絵に見る さくらいろいろ

館蔵浮世絵に見る さくらいろいろ 2013年1月26日(土)…3月10日(日)

お芝居 いろいろ

歌舞伎の演目で、桜と関わりがあるものは多数存在します。その内容は、「助六所縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」といった狂言名に「桜」が入っているもの、あるいは「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)南禅寺の場」や、「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)吉野川の場」いった名場面が桜の時期の設定であるものなど、さまざま。一斉に咲き誇る桜の華やかさの一方で、すぐに散ってしまうはかなさなど、桜のイメージは歌舞伎の演出にも欠かせないものなのです。

三代歌川豊国画「江戸花二人助六」
三代歌川豊国画「江戸花二人助六」
描かれているのは、「助六」の登場人物に扮した、当時の人気役者たち。左から、三代目坂東三津五郎、七代目市川団十郎、二代目澤村田之助、三代目尾上菊五郎、五代目松本幸四郎。
三代歌川豊国画「楼門五三桐」〈右〉
実父と養父の復讐を遂げることを誓った石川五右衛門の前に、仇である巡礼姿の真柴久吉(=豊臣秀吉のこと)が現れ、山門の上と下とで両者がにらみ合う「南禅寺の場」の一場面。上は二代目坂東蓑助。下は二代目関三十郎。
三代歌川豊国画「楼門五三桐」
歌川豊国画「妹背山」
歌川豊国画「妹背山」〈上〉
雛鳥(ひなどり)と久我之助(こがのすけ)の恋の顛末を描いた「妹背山婦女庭訓 吉野川の場」に取材した浮世絵。桜が咲き誇る中、手前に描かれた雛鳥の屋敷では、女性たちが楽しそうに楽器を奏でる一方で、対岸の屋敷にいる久我之助は、それを寂し気に見つめている。