過去の特別展
マッチ登場 ~着火具の歴史~
19世紀、簡単に火を点けられる道具としてヨーロッパで生まれたマッチ。それはやがて世界に広がり、喫煙の文化にも影響を与えました。
マッチ登場以前の着火具
煮炊きをする、暗闇を照らす、暖をとる、祭祀に用いるなど、火を起こすことは人類の営みと深く結びついてきました。
マッチが登場する以前の江戸時代の日本では、火打ち石と火打ち金で火花を起こし、その火花を火つきのよい火口(ほくち)に移して種火を作る方法がとられていました。
黄燐マッチと安全マッチ
1831年、黄燐を用いたマッチがフランスで発明され、ヨーロッパ各地に広まりますが、なにと摩擦させても着火する黄燐マッチは、便利なものの危険で、また毒性もありました。
その後、1855年に、毒性のない赤燐を用いた安全マッチがスウェーデンで発明されます。安全マッチは赤燐をマッチ箱の側面に、塩素酸カリウムをマッチの頭部につけて、二つを摩擦させないと発火しない仕組みとしたもので、以後、この安全マッチが普及していきました。
マッチの登場と喫煙スタイルの変化
マッチが日本にもたらされた時期ははっきりしませんが、開港後の外国人風俗を描いた浮世絵には、マッチで火を起こしてたばこを吸う姿が見られます。
マッチが普及すると、マッチを保管したり、持ち歩いたりするための道具も作られるようになりました。