過去の特別展
モボ・モガの時代 〜「モダン東京」と大衆消費社会〜
1923(大正12)年の関東大震災で東京は壊滅的な被害を受けました。政府は震災直後から帝都復興院(のちに復興局)を立ち上げて大規模な復興事業を行い、その結果「東京」は“モボ・モガ”こと、モダンボーイやモダンガールが映えるモダン都市として再生しました。
震災後の復興による近代化は、人々の生活にも大きな変化をもたらしました。明治維新以来、少しずつ浸透していた西洋的なライフスタイルは急速に大衆化。各企業も舶来品のイメージが強かった商品を安く提供するとともに、「モダン」にこだわった広告デザインを展開していくようになりました。
杉浦非水によるたばこパッケージ
たばこの主流が細刻みたばこ(キセルで吸うたばこ)から紙巻たばこに変わり、新しい銘柄が数多く登場。パッケージも、当時、デザイン界のリーダー的存在だった杉浦非水などを起用して斬新なものとなった。
「花王シャンプー」
1932(昭和7)年 (花王ミュージアム・資料室提供)
それまで使われていた髪洗い粉に比べて、洗髪に時間のかからないシャンプーが登場。花王はキャンペーン広告を通じてシャンプーを日常に定着させ、日本人の洗髪習慣を大きく変えた。