特別展Exhibition

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昭和モダンの終焉と戦争の時代 〜生活、そして商品・広告表現の変化〜

1937(昭和12)年の盧溝橋事件をきっかけとして始まった日中戦争、1939(昭和14)年ドイツのポーランド侵攻による第二次世界大戦の勃発と翌年の日独伊三国同盟の締結によって、日本は戦争への道を進んでいきます。また、統制経済や国民精神総動員運動によって「ぜいたくは敵だ」という標語も生まれ、商品や広告も戦時色を増していきました。そして、1941(昭和16)年、日本はアメリカ・イギリスと開戦し、太平洋戦争に突入しました。開戦当初、日本軍は各地で勝利したこともあり、多くの人々は戦争を支持していたといわれています。しかし、戦局の悪化に伴い物資が不足、男性は学生を含めて招集され、本土空襲によって多くの命が失われてしまいました。

ポスター「国に国防 社交にタバコ」
1937(昭和12)年
日中戦争が始まった当初に制作されたもの。水兵や軍艦などをモチーフとしながらもモダンで明るい印象を与える。しかし、戦争の激化に伴い、こうしたポスターも戦時色の濃いものに変わっていった。

パンフレット「秋の日帰り行楽」
1937(昭和12)〜1943(昭和18)年(東武博物館提供)
戦時下の健兵健民政策によって、観光案内の広告にも、社寺参拝は武運長久祈願、ハイキングは心身壮健といった見出しがつけられるようになった。

経線儀
1942(昭和17)年 (セイコーミュージアム提供)
軍艦用として開発された航海用船舶時計。大きな温度変化や揺れのある海上でも、1日の誤差が0.1秒以下という極めて正確なものだった。

ポスター「よくあたる弾丸切手」
1942(昭和17)年 (郵政博物館提供)
戦時中には軍事費を賄う必要から、国民に貯金が奨励された。「戦時郵便貯金切手」(通称「弾丸切手」)は、その貯蓄奨励の一環として行われたキャンペーンで、全国の郵便局で発売された。