特別展Exhibition

過去の特別展

終戦、そして焼け跡からの復興 〜懐かくて新しい商品の復活〜

1945(昭和20)年、長かった戦争は日本の敗戦という形で終結しました。東京は下町や都市部を中心に空襲によって、その多くは焼け野原となっていました。
モノも極端に不足し、合法的な配給では生活が困難であったため、焼け跡には闇市が立ち並びました。そうした混乱の中、人々は立ち上がり、工場なども再建されていきます。1950(昭和25)年頃を境に物資も回り始め、配給から自由販売品へと移行。昭和モダンの流れをくむ、懐かしくも新しいデザインの商品が登場するようになりました。

米軍に接収された銀座の服部時計店(現・和光)
(セイコーミュージアム提供)
空襲を免れた銀座四丁目の服部時計店はP.X.(米兵用の売店)として接収された後、1952(昭和27)年に服部時計店の小売部門を継承した和光の本館となった。

東武日光線特急「鬼怒」と女性車掌 
1950(昭和25)年 (東武博物館提供)
1949(昭和24)年、東武鉄道では戦前に活躍した車両を修繕して、浅草〜東武日光・鬼怒川温泉を走る特急の運転を再開。当初は戦時中に車掌を務めた女性が特急にも乗務していた。

「花王粉せんたく」 1951(昭和26)年
「ワンダフル」1953(昭和28)年
(花王ミュージアム・資料室提供)
家庭用合成洗剤の「花王粉せんたく」(後に「ワンダフル」と改称)は、洗濯機の普及と相俟って、主婦が洗濯に費やす時間を大幅に短縮させた。

レイモンド・ローウィによる「ピース」のデザイン案
1952(昭和27)年、パッケージを一新した「ピース」が発売される。世界的なデザイナーのレイモンド・ローウィを起用したそれは大きな反響を呼び、「デザインが嗜好まで変えた」といわれた。