過去の特別展
収集事業の始まり ~伝統的な喫煙文化を後世に伝える~
当館コレクションの中核の一部をなしている「きせる」「たばこ盆」「たばこ入れ」などの伝統的な喫煙具や、江戸時代の喫煙風俗を描いた肉筆絵画、浮世絵、版本などの本格的な収集は、昭和7(1932)年から始まりました。
収集事業を始めたのは、当時、大蔵省専売局の長官だった佐々木謙一郎でした。佐々木は昭和の初め、日本の喫煙風俗が刻みたばこから紙巻たばこへと変わりつつあったこの時期を資料収集の好機ととらえ、旧知の友であり、浮世絵収集家としても知られていた古堀栄とともに収集を始めます。
二人の熱意と努力によるコレクションは数年後、『大日本煙草史料図録』にまとめあげられました。