特別展Exhibition

第34回夏休み塩の学習室 買い物ゲームで塩さがし! 2012 2012年7月21日(土)〜9月2日(日)

[はじめに]知っておきたい塩のこと

まずは、塩について知っておきたい内容を紹介します。1年間で塩はどのくらい使われているのか?
食べる塩や食べない塩はどこから来るのか? など、塩のひみつをさぐります。

1年間に使った塩はどれくらい?

塩の生産量と消費量(2010年度)
塩の生産量と消費量(2010年度)
日本で使われる塩は1年間に約(やく)900万トン。そのうち調味料(ちょうみりょう)として家庭で使われる塩の量(りょう)は、3%しかありません。食品工業用(しょくひんこうぎょうよう)と合わせても、食べものに使う量は全体の15%にもなりません。塩のほとんどはソーダ工業などの工業に使われ、いろいろな工業製品(こうぎょうせいひん)などに姿(すがた)をかえて、私たちの生活を支(ささ)えています。実は食べもの以外(いがい)に使う量の方がずっと多いのです。このように使われる塩のうち、国内で作られているのは、15%くらいしかありません。
輸入した塩(2008年)

日本で使われる塩は、約(やく)85%を輸入(ゆにゅう)にたよっています。その多くはメキシコやオーストラリアで作られた天日塩(てんぴえん)です。

輸入した塩(2008年)

食べる塩はどこから? ー日本で作るー

日本では海水から塩を作っている。そのほとんどが「食べる塩」だ。少しだけ「食べない塩」にも使うぞ。

海水から塩ができるまで(現在の製塩工場)

※輸入(ゆにゅう)した天日塩(てんぴえん)を原料(げんりょう)とするなど、これ以外(いがい)の方法で作られる塩もあります。

  1. ①海水の中の塩は

    1リットルに30グラムくらいの割合(わりあい)で、溶(と)けています。

  2. ②ろ過され

    ゴミや砂(すな)や微生物(びせいぶつ)などがこしとられます。ろ過が不十分(ふじゅうぶん)だと塩に色がつきます。

  3. ③濃縮され

    イオン交換膜(こうかんまく)という特殊(とくしゅ)な膜と電気の力で塩分(えんぶん)が集められて、海水の約(やく)6倍の濃(こ)い塩水になります。

  1. ④結晶にされ

    (に)つめて水を蒸発(じょうはつ)させていくと、塩が結晶になってあらわれます。

  2. ⑤脱水されて

    塩の結晶についていた水やにがりが、脱水機(だっすいき)でとり除(のぞ)かれます。脱水の度合(どあ)いで、水分、純度(じゅんど)が決まります。

  3. ⑥できあがります

    (ふくろ)や箱(はこ)、ビンなどに入れられ、船やトラックでお店に運ばれて、みんなの家にとどきます。

食べない塩はどこから? ー外国から輸入するー

日本では「食べない塩」のほとんどは、外国から輸入した塩を使っている。輸入した塩は、少しだけ「食べる塩」にも使うぞ。
メキシコの天日塩田

この塩田(えんでん)では、1年間に約(やく)100mmしか雨が降(ふ)らない。砂漠(さばく)のような乾燥(かんそう)した気候(きこう)なので、太陽と風の力だけで海水から水を蒸発(じょうはつ)させ、塩を作ることができる。できた塩は船で日本に運ばれ、おもにソーダ工業に使われ、私たちの生活を支(ささ)えている。オーストラリアでできた天日塩(てんぴえん)も同じように使われる。

  • はじめに
  • いろんな塩の使いみち
  • もしも塩がなくなったら?
  • 会場レポート
  • 塩の実験室・塩のおはなし
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