特別展Exhibition

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伊達男のこだわり ~きせる・たばこ盆・たばこ入れに見る職人の技~

たばこ盆

たばこ盆は、刻みたばこを入れる「たばこ入れ(たばこ壺・たばこ箱とも)」、火を保つ「火入れ」、灰皿となる「灰落し」をまとめたものです。調度品としての役割も担っていたたばこ盆には、漆塗りや蒔絵で美しく飾られたものも多くあります。

「縞柿舟形提げたばこ盆」
25.8×31.0×14.4cm

希少な縞柿の木目を波に見立てるかのように、銀細工の波しぶきが上がっている。提げ手は鯨のひげ製で、さまざまな素材の取り合わせの妙を味わえる。

「青漆刷毛目塗りたばこ盆」
9.1×30.5×16.5cm

青漆に小口の朱漆が映え、陶製の火入れは黒い釉で仕上げられている。竹の灰落しは「吐月峰」(とげっぽう)という丸子(現・静岡市駿河区)産のもの。

「梨子地波に葦蒔絵舟形たばこ盆」
20.7×42.4×13.7cm

毛利家伝来とされるたばこ盆。渦巻く波の様子から船の木目までが、伝統的な蒔絵技法の数々で表現されている。中央の火屋や、きせるを受ける柱などの造形も美しい一品。

「黒漆塗り鉄線蒔絵提げたばこ盆」
30.4×42.2×27.2cm

盆面にテッセンの花を描いた高台寺蒔絵が見どころ。既存の盆に脚と提げ手を後付けし、転用した可能性がある。

「紫檀葵散し蒔絵手付きたばこ盆」
25.6×31.5×16.9cm

紫檀の木地に葵の葉を象った螺鈿(らでん)が蒔絵とともに散らされている。左側の風覆がついている部分を取り外し、小型のたばこ盆として使うことができる。

「武蔵野蒔絵手付きたばこ盆」
13.3×17.5×17.3cm

幕末・明治に活躍した蒔絵師・柴田是真の作。青銅に似せた塗りの本体に、三日月に見立てた鉛板を大胆に配したたばこ盆である。是真は漆以外の素材の質感を、漆で表現することを得意とした。