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“動物と塩”まとめ 〜塩の大切なはたらき〜

食べものや、すんでる場所で、塩とのかかわり方がちがう動物たち。ここでは、ヒトも含(ふく)めた動物のすべてに共通(きょうつう)することを説明(せつめい)します。

表のいちばん右を見てほしい。血液(けつえき)など体液の塩のこさはどの動物でも同じだ。じつは、動物が塩をほしがったり、反対に塩をすてたりしていたのは、体の中の塩をちょうどよくするためなのだ!
動物の種類(しゅるい) 食べものの塩
(すんでる場所の塩)
塩とのかかわり 体液(たいえき)
の塩のこさ
草食 草食 食べものに塩は
ほとんど入ってない
・とてもほしがる
・よく塩を食べる
約0.9%
肉食 肉食 食べものに塩が
ちょうどよく入ってる
・あまりほしがらない
・あまり塩を食べない
約0.9%
海にすむ 海にすむ 食べものといっしょに
塩が多すぎる海水も
飲む
・ほしがらない
・多すぎる塩をすてる
約0.9%

※両生類や昆虫、無脊椎動物などの体液は異なります。

どの動物も、生きていくためには、ちょうどよい量の塩が必要(ひつよう)なんだね。
ヒトも動物!

ヒトの体は60兆個(ちょうこ)の細胞でできています。血液(けつえき)やリンパ液などの体液は、細胞がちゃんとはたらけるように、いつも同じこさ(約0.9%の塩水)で細胞をつつみ、まもっています。
体液の塩は、ほかにも、神経(しんけい)や筋肉(きんにく)、消化液など、生きるために必要なさまざまなはたらきをささえています。

動物が塩をほしがるのは、体の中で塩が大切なはたらきをしているからだ。人間もヒトという動物だから、ヒトを例(れい)にして見てみよう。
魚は塩とどうつきあっている?

海の魚と川の魚では、体のなかの水と塩のバランスをとるしくみがちがいます(魚の体液の塩のこさは、どちらも1%前後です)。

魚は、すめる場所によって、次の3つに分けることができます。

(1)塩が多い海にしかすめないもの………マグロ、イワシなど
(2)塩がほとんどない川にしかすめないもの………コイ、メダカなど
(3)海と川を行ったり来たりするもの………サケ、ウナギなど

  • ※(3)の海にも川にも行ける魚は、海と川の水がまざり合う河口(かこう)のあたり〔汽水域(きすいいき)〕で、体のしくみを反対にすることができます。
海水でも育つ植物!?

植物は海水で育てると枯(か)れてしまいます。しかし、海岸に生えるマングローブという木のなかまは平気です。ヤエヤマヒルギというマングローブは、根から入ってきた塩水を葉の中に集め、葉といっしょに塩をすてることができます。