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塩の使いみち(食べる塩・食べない塩)

塩は食べるものだけでなく、食べないものにも多く使われています。その使いみちにはどのようなものがあるのか。また、どのように作られているのかについて紹介します。

いちばん下の幹にある「塩」から上へたどると、家庭用・食品加工用、一般(いっぱん)工業用、家畜(かちく)用、ソーダ工業用という使いみちで枝(えだ)が分かれていて、塩がかかわってできあがる品物がついているよ。
食べない塩はどこから?〈外国から輸入する〉

日本では、「食べない塩」のほとんどは、外国から輸入(ゆにゅう)した塩を使っている。輸入した塩は、少しだけ「食べる塩」にも使うぞ。

メキシコの天日塩田(てんぴえんでん)では、1年間に約(やく)100mmしか雨が降(ふ)りません。砂漠(さばく)のような乾燥(かんそう)した気候(きこう)なので、太陽と風の力だけで海水から水を蒸発(じょうはつ)させ、塩を作ることができます。できた塩は船で日本まで運ばれて、おもにソーダ工業に使われ、私たちの生活を支(ささ)えています。オーストラリアでできた天日塩(てんぴえん)も同じように使われています。

メキシコの天日塩田
メキシコの天日塩田
食べる塩はどこから?〈日本で作る〉

日本では海水から塩を作っている。そのほとんどが「食べる塩」だ。
少しだけ「食べない塩」にも使うぞ。

海水から塩ができるまで
ー 現在(げんざい)の製塩(せいえん)工場 ー

※食べる塩には、輸入(ゆにゅう)した天日塩(てんぴえん)を原料(げんりょう)とするなど、これ以外(いがい)の方法で作られる塩もあります。

1リットルに30gくらいの割合(わりあい)で、溶(と)けています。

ゴミや砂(すな)や微生物(びせいぶつ)などがこしとられます。ろ過が不十分(ふじゅうぶん)だと塩に色がつきます。

イオン交換膜(こうかんまく)という特殊(とくしゅ)な膜と電気の力で塩分(えんぶん)が集められて、海水の約(やく)6倍の濃(こ)い塩水になります。

(に)つめて水を蒸発(じょうはつ)させていくと、塩が結晶になってあらわれます。

塩の結晶についていた水やにがりが、脱水機(だっすいき)でとり除(のぞ)かれます。脱水の度合(どあ)いで、水分、純度(じゅんど)が決まります。

(ふくろ)や箱(はこ)、ビンなどに入れられ、船やトラックでお店に運ばれて、みんなの家にとどきます。

1年間に使った塩はどれくらい?

日本では年間でどれくらいの量の塩が使われているでしょうか? 利用(りよう)目的や、一人あたりが使う量などについて見ていきましょう。

塩の生産量と消費量(2013年度)

日本で使われる塩は1年間に約(やく)800万トン。そのうち調味料(ちょうみりょう)として家庭で使われる塩の量(りょう)は、3%にもなりません。食品工業用と合わせても、食べ物に使う量は全体の12%くらいです。塩のほとんどはソーダ工業などの工業に使われ、いろいろな工業製品(こうぎょうせいひん)などに姿(すがた)をかえて、私たちの生活を支(ささ)えています。実は食べ物以外(いがい)に使う量の方がずっと多いのです。日本で1年に使われる塩のうち、国内で作られているのは、12%くらいしかありません。

輸入した塩(2013年)

日本で使われる塩は、85%以上を輸入(ゆにゅう)にたよっています。
その多くはメキシコやオーストラリアで作られた天日塩です。

ひとりぶんだと、どれくらい?
  • 日本で1人が1年間に
    使った塩の量(2013年度)

    62.5kg
  • 食べる塩(家庭用・食品工業用)

    7.6kg
  • 食べない塩(一般工業その他・ソーダ工業用)

    54.9kg