役者への関心は舞台姿に止まらず、役者がくつろぐ楽屋や日常の姿にも及んだ。安永9年(1780)には、勝川春章が絵本「役者夏の富士」でこうした場面を描き、以降、浮世絵でも描かれるテーマとなった。また、団扇絵やおもちゃ絵など生活の中で使って楽しむ役者絵からは、贔屓役者の絵を身近に置いておきたいという、ファンの心理が感じられる。舞台を離れても役者は人々の関心の的だったのである。


役者への関心は舞台姿に止まらず、役者がくつろぐ楽屋や日常の姿にも及んだ。安永9年(1780)には、勝川春章が絵本「役者夏の富士」でこうした場面を描き、以降、浮世絵でも描かれるテーマとなった。また、団扇絵やおもちゃ絵など生活の中で使って楽しむ役者絵からは、贔屓役者の絵を身近に置いておきたいという、ファンの心理が感じられる。舞台を離れても役者は人々の関心の的だったのである。