約250年におよぶ日本とオランダの貿易は、両国の生活や文化にも少なからぬ影響を与えた。17・18世紀のオランダでは、日本の着物やアジアの喫茶文化、また漆器・陶磁器などの工芸品がブームと呼べるほど流行するなど、日本との接触はオランダ、ひいてはヨーロッパ諸国に東洋文化への志向を生むきっかけとなった。一方日本では、ヨーロッパの品物を愛好する「阿蘭陀趣味」の広まりとともに、西洋風の遠近法を用いた浮世絵や洋風画が描かれ、舶来の金唐革・更紗・ガラスで作られた工芸品が大いに人気を博し、さらには蘭学が興隆するなど、さまざまな西洋志向が生まれた。 |
|
|