2012年5月19日(土)~7月1日(日)に開催される、「わたしの句読点2〈食いろいろ〉」展。展覧会開催に至るまでには、ポスターや図録の作成、展示室のディスプレイなど、多くの人が関わり、さまざまな準備が行われています。今回は、その舞台裏に潜入。展覧会が開催されるまでの裏側を2部構成でご紹介します!
展覧会開催に当たって、重要な広報ツールの一つであるポスター。“展覧会の顔”ともいうべきポスターは、企画や展示内容が見る人に伝わるようにと考えて制作されています。
本展覧会においては、「食」をテーマにしたイラストレーションを、長谷川義史さんに依頼。この絵に合わせて、本展覧会の実行委員長を務める和田誠さんがデザインをし、1枚のポスターが完成しました。
〈左〉長谷川さんが描かれた絵。
〈右〉和田さんが制作された文字のデザイン。絵との融合を考慮して、会期などの情報が一目でわかるよう、文字は白色にしてあります。
展覧会の楽しみの一つは、展示作品やその解説が載った図録です。本展覧会では、出展された171名のイラストレーターさんの作品をすべて網羅した図録を制作しました。
まずは、出展作品をすべて撮影し、各イラストレーターさんから送られてきたプロフィールと作品紹介文などを盛り込んでページのレイアウトをデザイン。次に、印刷所から送られてきた“初校ゲラ”と呼ばれる文字刷りで校正を行います。誤字脱字などの修正がある場合は、赤いペンを用いて、“赤字”と呼ばれる修正を書き込みます。
初校が終わると、次は“色校正”を行います。これは、文字通り色を見るもので、原画の色味と印刷物の色味を見比べて校正します。
“色校ゲラ”と作品を見比べながら、色校正をする和田さんと印刷所の方々。皆さんは、171点におよぶ原画のすべてを確認。全体の印象だけではなく、時折、ルーペで色の配分を確認しながら、色の配分についての修正指示を“色校ゲラ”に書き込んでいきます。
原画の絵の具は、それぞれのイラストレーターが作り出したものだけれど、印刷は、青(C=シアン)、赤(M=マゼンタ)、黄(Y=イエロー)、黒(K)という4色のインクの組み合わせで刷られるものだから、まったく別のものなんですよね。原画どおりに正確に印刷ができるかというと、なかなかそうはいかない。だから、印刷物は印刷物として、出来上がった状態が素晴らしければある程度いいんですよ。多少、原画と違っていてもしょうがない。ただ、大きく違っていちゃいけない。そこの匙(さじ)加減を考えながら校正をしていくんです。
そして、こちらが本展覧会の図録の表紙! TISに所属されているイラストレーターの方々の作品を、コメントとともにお楽しみください。