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第37回 夏休み塩の学習室「買い物ゲームで塩さがし! 2016」

3. 食べる塩・食べない塩

ここでは、日本で1年間に使われる塩の量や、食べ物などに使われる「食べる塩」と、工業製品などに使われる「食べない塩」の割合、それぞれがどのように作られるのかについて紹介します。

1年間に使われる塩はどれくらい?

日本で使われる塩は1年間に約800万トン。そのうち調味料(ちょうみりょう)として家庭で使われる塩の量(りょう)は、3%にもなりません。食品工業用(しょくひんこうぎょうよう)と合わせても、食べ物に使う量は全体の12%くらいです。
塩のほとんどはソーダ工業などの工業に使われ、いろいろな工業製品(こうぎょうせいひん)などに姿(すがた)をかえて、私たちの生活を支えています。実は、食べ物以外に使う量の方がずっと多いのです。
このように使われる塩のうち、国内で作られているのは、12%くらいしかありません。

塩の生産量と消費量(2013年度)
1人ぶんだと、どれくらい?

日本国内で、1人が1年間に使った塩の量は、62.5kg。そのうちのほとんどは「食べない塩」として使ったものです。

日本で1人が1年間に使った塩の量(2013年度)
食べない塩はどこから?〈外国から輸入する〉

日本で使われる塩は、85%以上を輸入(ゆにゅう)にたよっており、「食べない塩」のほとんどは、メキシコやオーストラリアで作られた天日塩です。

輸入した塩(2013年)
メキシコの天日塩田

中米・メキシコの天日塩田(てんぴえんでん)では、1年間に約100ミリしか雨が降(ふ)りません。砂漠(さばく)のように乾燥(かんそう)した気候(きこう)のため、太陽と風の力だけで海水を蒸発(じょうはつ)させて塩を作ることができます。できた塩は船で日本まで運ばれ、おもにソーダ工業に使われて、私たちの生活を支えています。
オーストラリアで作られる天日塩も同じように使われています。

食べる塩はどこから?〈日本で作る〉

日本で海水から作られる塩のほとんどは「食べる塩」として使われます。

海水から塩ができるまで
— 現在(げんざい)の製塩(せいえん)工場 —

※輸入した天日塩を原料とするなど、
 これ以外の方法で作られる塩もあります。

1 海水の中の塩は

1リットルに30グラムくらいの割合(わりあい)で、溶(と)けています。

2 ろ過され

ゴミや砂(すな)や微生物(びせいぶつ)などがこしとられます。ろ過が不十分(ふじゅうぶん)だと塩に色がつきます。

3 濃縮されて

イオン交換膜(こうかんまく)という特殊(とくしゅ)な膜と電気の力で塩分(えんぶん)が集められて、海水の約6倍の濃(こ)い塩水になります。

4 結晶にされ

(に)つめて水を蒸発させていくと、塩が結晶になってあらわれます。

5 脱水されて

塩の結晶についていた水やにがりが、脱水機(だっすいき)でとり除(のぞ)かれます。脱水の度合(どあ)いで、水分、純度(じゅんど)が決まります。

6 できあがります

(ふくろ)や箱(はこ)、ビンなどに入れられ、船やトラックでお店に運ばれて、みんなの家にとどきます。