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世界 塩さんぽ 〜5つの地域の、5つのおもしろい話〜
塩の作られ方や使われ方は国や地域によってさまざまです。ここでは、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、日本、アメリカに見られる、塩のおもしろい話をご紹介!
- 井戸の塩水で作る塩
- 中国の四川省には、大昔から、地下の塩水を井戸でくみあげ、それを煮つめて塩を作っている、「自貢」という町があります。
塩作りの町として発展した自貢。塩の商人たちが建てた集会をするための建物は、今は塩の博物館になっています。
深く掘った井戸から塩水をくみ出すのは力仕事だった。牛に手伝わせるなど、昔から工夫されてきたのだ。
- 小魚の塩辛
- 塩辛とは、魚などを塩づけにして発酵させた食べ物のこと。日本では、イカの塩辛が有名ですね。東アジアや東南アジアには、小魚や小エビを使ったものなど、さまざまな塩辛があります。魚肉がとけてみそのようになった塩辛を、つけダレやスープの味つけにも使います。
タイ東北部やラオスで食べられている小魚の塩辛「パー・デーク」(写真左)。塩をふくむ土から作った塩を使うぞ。この辺りのコーラート高原には、地下の塩水がしみ出て、土の表面に塩がふき出た場所が
あるのだ(写真上)。
- なれずし
- なれずしは、魚などを、米・塩と一緒に発酵させた保存食です。田んぼで米を作る地域を中心に、アジア各地に広く見られます。淡水魚のなれずしが多いのは、田んぼに住む魚を、保存食にしたからだと考えられています。
左の写真はマレーシアの魚屋の店頭だ。青い袋に入っているのは、淡水魚のなれずし「プカサム・イカン」だぞ。
- 西アジア遊牧民が塩を持ち運ぶ袋
- 草食動物は、えさとなる草に塩分がほとんど含まれないため、塩をほしがります。草食動物を家畜にして生活する遊牧民は、この習性を利用して、家畜の群れを移動させます。
イランなどの遊牧民が使う塩袋は凸型。口が小さく、家畜が袋に頭をつっこんで勝手に塩をなめられないから、家畜は塩をほしがって、塩を持っている人のいうことを聞きやすくなるぞ。
- 光かがやくケウラ岩塩坑
- パキスタンのケウラ岩塩坑は、世界最大級の岩塩抗です。ケウラの岩塩は、塩分が95%以上と純度が高く、食用にもできます。また、その美しさから観光地としても人気があります。
中には、岩塩でできたモスク(イスラム教のお祈りをする場所)もあるぞ。岩塩が、中に入った電球で照らされてキレイにかがやくのだ。